Nostalghia
いかなる先祖の声か?
この私の声は
同じ時には生きられない頭と肉体の声だ
私はもはやひとりの個の人間ではない
自分が
いくつもの無限定の
事物として感じられる
われわれの時代の不幸は
大いなる人間が存在しない事だ
われわれの心の道は影に覆われている
声は聴くべきではないか
無用と思われる声でも
脳がいかに下水道や学校の壁
アスファルトや福祉事業で詰まっていようと
虫の羽音も入れるべきではないか
われわれの
目に
耳に
おおらかな夢の一端が
見えて
聞こえて
よいではないか
ピラミッドを創ると誰かが叫ぶべきなのだ
実現するしないは大事ではない
大事なのは
夢をはぐくみ
われわれの魂をあらゆる所で
はてしなく拡がるシーツのように
のばしてやる事だ
世界が前を向く事を望むなら
手に手を携えるべきだ
混じり合おう
いわゆる健全な人も
いわゆる病める人も
健全な人よ
何があなたの健全さなのだ?
人類の目は崖っぷちを見つめている
転落寸前の崖っぷちを
自由に何の意味があろう?
あなた方が
われわれを正視する心を持たず
われわれと
共に食べ
共に飲み
共に眠る心がないなら
いわゆる健全な人々が
この世を動かして
破局の淵に来たのだ
人間!
聞いてくれ
君のなかの
水よ!
火よ!
灰よ!
灰のなかの骨よ!
骨よ!
灰よ!
どこに生きる?
現実にも生きず
想像にも生きぬなら
天地と新しい契約を結び
太陽が夜かがやき
八月に雪を降らせるか
大は滅び去り
小が存続する
世界は再び一体となるべきだ
ばらばらになりすぎた
自然を観れば分かる事だ
生命は単純なのだ
原初に戻ろう
みんなで
道をまちがえた所に帰るんだ
戻らなければならない
生命のはじまりに
水を汚さぬ所にまで
何という世界なんだ
狂人が
恥を知れと
叫ばねばならぬとは!
母よ
母よ!
空気はこんなにも軽く
顔にそよいでいてく
微笑めば
いっそう澄んでいる
― Andrei Arsenyevich Tarkovsky ―
― Life In A Day ―
Via lifeinaday




















